関東の古寺とその歴史

坂東三十三観音巡り - 慈光寺

9番 都幾山 慈光寺

平家納経と並び称される国宝「慈光寺経」を有する寺

鎌倉初期には75坊を擁した坂東有数の大寺だったとのこと

その後は戦国の焼き討ちにあい衰運をたどることに

山深さも感じさせるこの地は今は交通の便もよくない

伽藍が少ないことも相まってか訪れる人もまばら

ただ寺域は広く往時の栄耀を僅かに偲ぶことができる

由緒

創建
673年 慈光老翁を開基として観音霊場が開かれる
本尊
千手観音菩薩
寺歴
770年 鑑真和上の高弟の道忠により寺院として大講堂などを創建
1191年 源頼朝 寺領として1200町歩を寄進
江戸時代 徳川将軍家 寺領100石を寄進

1町歩でだいたい10石相当ということから10町歩に大きく減らされてます

参詣記

参詣日
2014年9月29日
交通
正法寺からクルマで30分程度

広い駐車場(50台程度)あり

以下雑記

駐車場から少し歩き、本堂へのちょっとした登り道

本堂境内にある多羅葉、 慈覚大師円仁が植えたと言われてます

老木化がまぬがれない樹齢ですが地元の方々の治療、保護で樹勢が回復したそうです

県指定の天然記念物です

多羅葉の葉の裏面には棒などで字が書けます

これが葉書(ハガキ)の語源とのことで、郵便局の木にもなってます

時の鐘

元は仁王門近くにあった浄土院念仏堂の梵鐘

大正年間に浄土院廃絶に伴い移設されたとのこと

観音堂への道

本堂境内から観音堂へは5分程度の登り道を行きます

観音堂

江戸時代の再建後、200年の年月で痛みが激しかったそうです

1993年から4年間、地域の方の熱意と寄付で解体修理、修復、整備されてます

観音堂天井に吊り下げられている白馬

左甚五郎作で「夜荒しの名馬」と呼ばれています

夜になると抜け出して周囲の畑を荒らしたため、ここに納められてしまいました

安楽寺野荒しの虎 と同じ伝説です

龍正院にも木彫りの馬が奉納されていて同じ伝説がありました

般若心経堂

いろいろな装飾経典の模写が見られます

国宝「慈光寺経」の一部の模写も展示されてます

申八梵王石仏

天明の大飢饉の時代に地元の石工が彫ったもの

山に出入りする人がお猿さんと呼んで信仰してきたそうです

本堂

納経所はこの中です

中に入るとき扉を閉めないと叱られます

鐘楼(焼失後1990年再建)

銅鐘は鎌倉時代(1245年)のもので、国指定の重要文化財です

釈迦堂跡

1985年に焼失してしまいました

開山堂

室町時代のもので、国指定の重要文化財です

堂内に開山塔が納められてます(非公開です)

開山塔は慈光寺を開山した道忠の墓の上に建てられているといわれてます

駐車場

奥に見えるのはトイレです

八角形でちょっと立派です

寺院概略

所在地
埼玉県比企郡ときがわ町大字西平386
最寄IC
関越道 坂戸西スマートIC から 30分程度
納経時間
4月~10月 8:00~17:00
11月~3月 9:00~16:00
ホームページ
慈光寺
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