関東の古寺とその歴史

坂東三十三観音巡り - 結願御礼 - 北向観音

番外 北向山 北向観音

信州最古の名湯、別所温泉に佇む古刹

その名の通り本堂が北を向く珍しい造り

その方向の先には向かい合うように善光寺が

来世を願う善光寺に対して現世のご利益

古くから厄除け観音として厚い信仰

近年は恋愛成就のパワースポットとしても

ここ塩田平は北条氏との縁もあり信州の鎌倉とも

周りには神社仏閣、文化財が数多く点在

由緒

創建
825年 慈覚大師円仁 開創
本尊
千手観世音菩薩 円仁 背後の山の鳴動、地割れによる人畜被害の供養のため霊像を刻む

開創のころに大きな地震があった伝承か

寺歴
1182年 木曾義仲の手により八角三重塔と石造多宝塔を残して全て焼失
1252年 北条国時により再興

参詣記

参詣日
2016年12月16日
交通
別所温泉宿泊後、クルマで5分程度
以下雑記

駐車場、有料でした

宿からも近く歩けばよかったかな

さすが温泉地、場内に温泉機械室がいくつかありました

駐車場から境内階段に向かう参道

短い通りの両側は土産物屋さんです

境内への階段、急です

階段横に、長楽寺古跡の石碑

長楽寺は別所三楽寺の1つも1714年焼失後再建されず

この辺りにあったんですね

他の三楽寺は安楽寺と北向観音本坊の常楽寺です

階段を登った上の境内にある手水舎

ここの水は温水で別所温泉の源泉が湧きだしているとのことです

ただこの日はほんとに寒くそれほど暖かさは感じられませんでした

境内には雪が残ってましたし階段の上り下りも要注意状態でした

札所観音堂と額堂

札所観音堂には享保年間に篤信者が奉納した秩父三十四観音が安置されてます

額堂は庶民が願いを込めた絵を奉納し掲げた絵馬堂です

江戸時代には絵の展示場のような場所だったようです

額堂に安置されている仁王像

今は絵馬堂としての役割は薄いようです

護摩堂(不動堂)

1983年再建とのことです

この再建が堂宇整備の一区切りだったようです

温泉薬師瑠璃殿とその前の北原白秋歌碑

温泉薬師は 行基菩薩 創建との伝説も

だとすれば北向観音創建より古く、さすが信州最古の温泉との由縁も感じられます

この堂宇は典型的な懸造りですね、31番笠森観音 を思い出します

北原白秋は1923年に別所温泉に家族と数日間滞在して162首の俳句を詠んだそうです

かしわや本店

温泉薬師瑠璃殿にほぼ隣接してます

川口松太郎の「愛染かつら」はここの宿で執筆されたそうです

鐘楼と愛染カツラ

以前の梵鐘は江戸時代のものでしたが戦争中の金属供出の憂き目にあったそうです

今の梵鐘は戦後に開かれた長野の平和博覧会に出陳されたものです

善光寺とのご縁もありここに納められたとのこです

傍らに立つのは天然記念物のカツラの大木、愛染カツラ

愛染堂

堂内には本尊の愛染明王がお祀りされてます

この愛染堂とカツラの大木に着想を得て名作「愛染かつら」が生まれました

今やこの地は恋愛成就のパワースポットとされているようです

二組の夫婦杉

夫婦杉は元々二本だった木が寄り添い根を一つにしたものです

ここもパワースポットでしょうね

寺院概略

所在地
長野県上田市別所温泉1666
最寄IC
上信越道 上田菅平ICから30分程度
納経時間
〜17:00(冬季は16:00)
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