日本の名城とその歴史

日本100名城巡り - 箕輪城

16番 箕輪城

戦国期をくぐりぬけた大規模な平山城の名城

5年にわたる城跡保存整備事業で気持ちのいい史跡に

城を守ってきた空堀の規模感を体感しながらの散策が楽しめる

大河で話題の徳川四天王のひとり、井伊直政も入城

ただ、その後ほどなく泰平の世となり平山城は時代遅れに

直政の高崎城移封とともに廃城

歴代城主の栄枯盛衰を思い今に往時が思い起こされる

由緒

築城
1512年 長野業尚により築城
歴代主要城主
長野氏、甘利氏、真田氏、滝川氏、北条氏、井伊氏
変遷
1566年 武田軍により落城、箕輪長野氏滅亡
1582年 北条氏 侵攻攻略、 北条氏邦 入城
1590年 井伊直政 入城(12万石)
廃城
1598年 井伊直政 高崎城移封にともない廃城

登城記

登城日
2017年 3月 9日
交通
伊香保温泉からクルマで30分程度
以下雑記

駐車場

よく整備されてます

トイレもきれいですよ

駐車場からの登城ルート

搦手口にあたります

二の丸

縦横各80mほどの郭

出撃拠点の位置付け

今はきれいなバイオトイレが設置されてます

大堀切土橋からの左右

右端は堀切の中から

大掛かりなものです

ただ現況深さはそれほどでも

当時は倍の深さだったとか

大堀切の土橋

二の丸と郭馬出をつないでます

大堀切を渡る唯一の橋です

堀切の中に降りて西虎口門から土橋方向を見上げているところです

郭馬出

縦横50m✕30m程の郭

馬出しとしてはかなり大形

奥に見えるのは復元された郭馬出西虎口門

木俣

郭馬出の外側にあり、家臣団の屋敷が置かれていた郭です

道が5方向に別れるところを木俣というようです

2方向、3方向は二俣、三俣、5方向は五俣でなく木の字を拝借

ここには木の字のかたちに似た道筋ができていたんでしょうね

二の丸から三の丸へ

細い道を行きます

三の丸

当初は屋敷地、その後、鍛冶場として使用されたようです

井伊直政が入ると大規模に改修し石垣も築かれました

三の丸の石垣

左側は三の丸門跡の石積み

井伊氏が改修した石垣は4m以上の高さになるところも

本丸堀

幅が30m〜40mあります

現況は10m程度ですが当時は倍の深さがあったとも

本丸から御前曲輪がこの巨大な堀で囲まれてます

難攻不落感が漂いますね

堀に架けられた橋の橋脚の石垣

左は本丸と蔵屋敷をつなぐ橋のもの

右は御前曲輪と通仲曲輪をつなぐ橋のもの

日常生活では郭間を自在に移動するために橋は必須

特に蔵屋敷には備蓄穀物がありますからね

新曲輪

名前からして新しく造られた曲輪でしょうね

左の奥に見えるのが玉木山とそこに付随する丸馬出

新曲輪はその外側に造成されてます

乱世も終わり馬出の重要性が落ちた井伊の時代でしょうか

稲荷曲輪(松下曲輪)

井伊直政の時代には養父の松下源太郎の屋敷があったところです

其の名のとおり稲荷社が祀られていたところです

勧請したのが長野氏の時代なのか松下氏なのかは諸説ありそうです

ただ松下源太郎が浜松の頭陀寺城の屋敷から稲荷社を勧請したのは確かなようです

本丸堀から御前曲輪へ

順路に従ってこの坂道を登ります

御前曲輪

本丸とともに最後の砦

城の中枢機能を配置

御前曲輪の古井戸

深さ20mの底から長野氏累代の墓石多数発見

落城時に武田軍による辱めを恐れて隠したとも

箕輪城将士慰霊の碑(左側)

武田軍との激戦で討死した将士を慰霊している

彰忠碑と砲弾

日露戦争で亡くなった兵士をお祀りしているものだそうです

砲弾は太平洋戦争の時には金属類回収令の対象なりかねませんでした

その危険から免れるために古井戸に隠しておかれたそうです

御前曲輪西虎口門跡

御前曲輪と通仲曲輪をつなぐ木橋のたもとにあたります

ここに四脚門が建っていたと推定されてます

別角度からの御前曲輪

ここにもバイオトイレ新設

右端に見えますね

御前曲輪と本丸の間の空堀

本丸北虎口に当たります

本丸にあった3か所の中で最大の門があったそうです

御前曲輪の重要性が窺えます

本丸

城の中心

南北100m、東西70m

箕輪城 城跡碑

城跡碑の先の本丸南部が突き出した曲尺馬出にあたる

曲尺馬出からは本丸南虎口門馬出を側面援護できる

本丸南虎口(左)と本丸南虎口門馬出(右)

馬出の南側から二の丸、北側から搦手へ出撃

搦手は今は駐車場になってますね

駐車場(搦手)への帰り道

搦手馬出から稲荷曲輪、丸馬出方面を望む

城跡概略

所在地
群馬県高崎市箕郷町西明屋・東明屋
100名城スタンプ
高崎市箕郷支所受付窓口(休日は裏口)
ホームページ
箕輪城跡(高崎市の文化財)
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